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音楽の力

 結局、音楽の力には敵わない。 どれほどの挫折も、絶望も いずれ音楽が癒してくれるんだ。 例えば音楽が嫌になったときさえも 音楽を聴いてみるといい。 転がる石ころの打音に 滞っていたエネルギーはまた流れだす。 さすらう唄うたいの示す道の先 あるはずないと決めつけていた光に目が眩む。 失った誰かや何かは戻らないかもしれない。 ときにあなたの耳には直接届かないかもしれない。 しかしそれは信じるに足る理屈を必要としない 最後の砦。 目には見えない。言葉には換えられない。 これほど曖昧で確かな存在はない。 感じるんだ。肌で。 結局、音楽の力には敵わない。 どんな哀しみも、暗闇も。

 草刈りが終わった なぜだか泣きたくなる匂いだ 懐かしさは日ごとに冴えてゆく夏 目が覚めるような寒さも 冬の奥まで来れば 慣れたもの それでも 呟いたおはようは 白く空へと昇った いつもなら しきりに何かをうったえる嘴も静かな ある春の早朝 小川のせせらぎのような音を立てて 風が木の葉をすすいでゆく 秋は一年で一番力強い季節だと ある詩人が言っていた それもそうだと頷いてみせたのは あまりにも画面に気を取られていたせいなのだった

暮れ

 叶わなかった夢 できなかった挑戦 選ばなかった道 に思いを馳せながら 悔いるのではなく ただ黄昏れる そんな人生の暮れ それも人生の端くれ

Beat

 打ち負かしてはいけない。 優しさと寛容さは欺けない。

 なんてことはない。 音楽というものは多くの人々にとっては 風みたいなものなのだ。

圧倒

 自分にもできるかもしれない。 という余白は安堵と希望を与える。 表現者はときに、その表現技術において 他を圧倒すべきではない。

自然

 どうなりたいか よりも どうありたいか 先のことより 今 自然であれ